2015年02月07日

ニューヨーク・タイムズでタイムスリップ

1931年7月23日早朝の上海北站で起こった宋子文暗殺未遂事件について調べていて、ふとニューヨーク・タイムズのウェブサイトを訪ねてみたら驚いた。

1851年以降の全記事を検索できるのだという。

ちょっとした感動。

記事は全てリアルタイムに書かれているのだから当然ながら当時のことが鮮やかに蘇る。宋子文の心臓の鼓動が聞こえ、硝煙の匂いが漂ってきそうなくらいだ。

それが僕のデスクでキィーボードをパタパタ叩くだけで読むことができるのだからすごい。

ただ、全てが無料というわけではない。検索をし、サマリーを読むところまでは無料だけれども、紙面をPDFで開くためにはおカネを払わなくてはならない。

最初の4週間は99セント、以降は1週間3.95ドル。最初の4週間については安いけれども、以降の料金は、たま〜に検索するだけの人間にはちと高い。

申し込んで必要な記事だけ読んだあとにすぐ解約すればいいかと思い、F&Qで解約方法を見ると、「解約する時には電話等で連絡しろ」って書いてある。めんどくせぇ。いかにも解約させる気がなさそうだ。解約しようとしても、なんだかトラブルになりそう。

で、最初は記事閲覧を我慢しようと思ったのだけれども、しばらくするとどうしても記事が読みたくなってきて、結局「えいゃ」って申し込みボタンをクリックしてしまった。

せっかくなので、1931年7月24日に掲載された宋子文がインタビューに応じて語った内容を和訳して載せておこう。
駅の外に向かって歩き出口から十五フィートほどのところまで来た時、両側から銃を撃ち掛けられた。自分が射撃の目標なのだと思い、暗い駅舎の中では目立ちすぎる白い帽子を冠っていたのでそれを放り投げ、人の群れに向かって走り、柱の陰に身を隠した。駅舎の中は煙に包まれ、銃弾が四方八方から飛んできた。私の衛士はすぐに反撃した。駅舎内の煙が消えるのに五分はかかった。私の衛士は少なくとも四人の刺客が銃を撃つのを見た。人数はもっと多かったかもしれない。煙が消えた時、私と並んで歩いていた秘書が腹部と尻、腕を撃たれたことがわかった。銃弾は彼の身体の両側から入っていた。彼の帽子とブリーフケースにも弾痕があった。彼に比べてずっと背が高い私が傷を負わなかったことは奇跡としか言いようがない。

posted by osono at 19:57 | Comment(0) | 著作

2014年09月17日

上海エイレーネー書評

aaaa.jpgこちらのブログで拙著「上海エイレーネー」を紹介いただいた。絶賛いただき、嬉しいのでリンクさせていただく。「上海エイレーネー」未読のかた、ぜひ当該ブログ記事を覗いてみてくだされ。あっ。でも大薗の書くものは読まないと決めている人はリンクをクリックしないように。絶対に読んでみたくなってしまい、後悔することになるから。

そのブログ記事はこちら↓
http://ameblo.jp/apoyando5282/entry-11922832639.html
アマゾンにてご購入はこちら↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4434187694/
posted by osono at 19:28 | Comment(0) | 著作

2014年09月15日

レンタル彼氏 あらすじ

rentals.jpg先頃刊行した「レンタル彼氏」の、紹介文を掲載させていただきます。


上海駐在員の僕はひょんなことからいきつけのバーのウェイトレスとともに極寒の哈爾濱(ハルビン)へ旅することになった。彼女の実家に行き恋人のふりをして、娘の早い結婚を望む彼女の両親を安心させるためだ。やたらハイテンションなお母さん。なにかと張り合いたがるお父さん。この二人を騙しとおすことができるか?影のあるお祖父さんはいったい何者?小悪魔のような彼女の妹の誘惑をかわすことはできるのか?そして、僕と彼女の関係は……


レンタル彼氏
 電子書籍: 763 KB(紙の書籍で40ページ相当)
 発行日: 2014年9月5日 初版
 著 者: 大薗治夫
 定 価: 103円
 ご購入:右のアマゾンのアイコンをクリックし、
     購入ページへ進んでください。

posted by osono at 17:48 | Comment(0) | 著作

2014年09月05日

「レンタル彼氏」出来!

一年程前に書いた短編小説「レンタル彼氏」。似た路線の作品を集めて短編集として本にしたいと思っていたんですけれども、なかなか同路線の作品を書けずに時ばかりが過ぎて行くので、それ単独で電子書籍として出版することにしました。

講演などの機会で本作のコピーをあちこちで配布したので既にお読みいただいたかたもおられると思いますが、未読のかたは是非読んでやってください。

歴史モノでも経済ものでもなく、現代モノかつ恋愛モノです。やわらかい内容で一気に読める作品です。主人公は上海駐在員。上海駐在経験のある(男性の)かたにはきっと共感いただけると思います。

申し訳ありませんがkindle版のみです。アプリをダウンロードいただけばiphoneやandroidなどでもご覧いただけます。

103円!自動販売機でソフトドリンク一本買うよりも安いのに、それよりもずっと大きい清涼感を得ていただけるのではないかと思います。

(あらすじは次回以降の本欄にてご紹介します)

image.jpgレンタル彼氏
大薗治夫著
kindle価格:103円


posted by osono at 22:25 | Comment(0) | 著作

2014年02月06日

上海エイレーネー紹介記事が掲載された

今朝、「上海エイレーネー」の紹介があちこちのサイトに一斉に掲載された。

http://news.infoseek.co.jp/article/20140207jcast20142196057
http://netallica.yahoo.co.jp/news/20140207-00000000-jct_bw
http://www.jctell.net/news/11373.html
http://newschina.jchere.com/newsdetail-id-3484517.htm

等々。

うれしい。

売れるといいな。





posted by osono at 16:45 | Comment(0) | 著作

2014年01月18日

上海エイレーネー 本日刊行

irenen.jpg本日は大安。

上海エイレーネー、本日が発刊日です。

「美人スパイ、鄭蘋如をモデルとして、太平洋戦争前夜の上海の特務工作戦と日中和平工作秘史を描く歴史ドキュメント小説」(本書帯より)。ISBNは978-4434187698。Amazonはhttp://www.amazon.co.jp/dp/4434187694/。読んでやってください。
posted by osono at 10:02 | Comment(0) | 著作

2014年01月13日

カレンシー・ウォー〜小説日中通貨戦争kindle版発刊

hyoshis.jpg『カレンシー・ウォー〜小説日中通貨戦争』のキンドル版が出ました。大薗の書くものに2000円近くも払えるか、と思っているかた。キンドル版は944円です。ぜひご一読くださいませ。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00HQHFRXU/




posted by osono at 21:53 | Comment(0) | 著作

2014年01月09日

上海エイレーネー、アマゾン在庫切れ

上海エイレーネー」。発行日前だけれどもアマゾンの販売が今日から始まったうようだ。ところがアマゾンのページを除くと「この本は現在お取り扱いできません。」と表示されている。いきなり在庫切れになっちゃたみたいだ。

と書くと注文がいっぱい入ったみたいだけれども、おそらくそうじゃない。新刊本がでるとき、アマゾンが予約受付状況をみながら出版元に最初の納入冊数を指定してくるのだけれども、予約受付開始から販売開始までわずか数日だったので予約受付が少なく、アマゾンが需要を過少に見積もってしまったんだと思う。

明日の朝にアマゾンから出版元に在庫切れの連絡が行き、出版元が明日発送したとしてもアマゾン到着は明後日。となると「この本は現在お取り扱いできません。」の表示が消えるのは連休明けになってしまう。

ああ、残念。

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posted by osono at 15:42 | Comment(0) | 著作

2014年01月08日

消えた蘋如

名刺用カバー4.jpg「上海エイレーネー」(1月18日刊行予定・昨日アマゾンでの予約受付開始)について、主人公・靄若のモデルである鄭蘋如に直接聞いてみたいことは他にもいくつもある。

1939年12月。ジョッフル路(現淮海路)や大馬路(南京路)が濃緑の柊や深紅のポインセチアに色づいたころ、丁黙邨暗殺に加担し失敗した蘋如は「ジェスフィールド76号に自首するわ」と家族に言い置いて自宅を出た。

が、蘋如はまっすぐジェスフィールド76号に向かわなかったようだ。

自宅を出たあとの動きがよくわからない。蘋如は消えた。上海憲兵隊の林秀澄特高課長は彼女の出頭は年を越してからだと言っている。年内に出頭してきたとの証言もあるので断言はできないけれども、彼女が自宅を出たのは12月26日頃なので、林秀澄特高課長の言葉を信じるとすると、出頭までの間に1週間ほどが費やされている。

中国では、蘋如は自宅を出たあとアジトに籠り再度丁黙邨暗殺を謀った、というのが定説となっているようだ。蘋如は丁黙邨に対して、自分はクリスマスの暗殺に関わっていないと泣いて訴えて、もう一度会ってほしいと哀願した。そして自ら丁黙邨を殺害するつもりで拳銃をバッグに潜ませ会いにいき、その場で逮捕されてしまった、と。

しかし、どこにそう書いてあるのか、誰がそういう証言をしたのか、それがわからない。

確かに、蘋如が自宅を出たのは自首のためではなくて、家にいては逮捕されてしまうと考えたためかもしれない。しかし、拳銃をもって丁黙邨のもとに乗り込んでいったというのはどうなのだろう。

そんなことをできる蘋如は僕が彼女に抱いているイメージから遠いところにいる。

世間一般的には、蘋如は国家に殉ずる烈士、もしくは、一糸まとわぬ姿で枕の下に隠したナイフで対象の心臓を一刺しする女性、というようなイメージがある。でも僕は、それはかなり疑わしいと思っている。時代が時代だから国を思う気持ちは強かったろうけれども、そのために命を捨てようと考えるほどに狂信的でもなく、小さな虫すら容易に殺せない。そんな女性だったんじゃないかと思う。夜中に部屋に出てきた小さい虫をスリッパで叩くことはできても、数日前まで親しく会話をしていた人間を自分の手で殺せるとは思いにくい。あれやこれやと文献を読んでいるうちに僕はそういうイメージをもつに至った。

それに、逮捕されるかもしれないと思って自宅を出たのに、丁黙邨が自分を疑っていないだろうと思って会いにいくというのも軽率に過ぎるように思うし。

ちなみに「上海エイレーネー」では、主人公が家を出てからジェスフィールド76号に出頭するまでの間についてはさらりと片づけてしまっている。主人公の靄若は僕の頭でつくられた女性だから、そのあたりは誰からも文句を言われたくない。

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posted by osono at 15:16 | Comment(0) | 著作

2013年12月31日

ペンギンの散歩/蘋如。君はいったい文隆のことをどう思っていたの?

penguin.jpg

東京に帰る前日には札幌に泊まった。そして翌日、旭山動物園に寄ってから、旭川空港発羽田行きに乗る予定を組んだ。

しかし、帰郷ラッシュのためだろう、札幌から旭川への鉄道が予約できない。3歳時は「ペンギンさん電車(旭山動物園号のこと)に乗りた〜い」と騒いだが、どうにもならない。

しょうがないのでレンタカーを借りた。朝に札幌のホテルのすぐそばで借りだし、旭川空港で返却する。

日本全国で報道されていたようだけれども、ここ数日北海道は猛吹雪に見舞われた。運転はしんどかった。高速道路も路面は真っ白で、吹雪で前方がほとんど見えないこともあった。疲れた。

旭山動物園は、評判どおり、おもしろかった。見せ方に工夫がなされており、動物たちの活き活きとした姿を見られるし、各展示施設が隣接しているので、歩き疲れないのもよかった。

写真は日に2度行われるペンギンの散歩。

きゃわいい〜。


「上海エイレーネー」(1月18日刊行予定)を書いている時、主人公・靄若のモデルである鄭蘋如に「あぁ。できることなら直接聞いてみたい」と思ったことが何度もあった。

例えば、「君はいったい文隆(近衛文麿の長男)のことをどう思っていたの?」と。

※以下、ネタバレ注意!※

小竹文夫東亜同文書院大学教授は、「ある時、中国の高官の令嬢で、日本婦人を母とする女性が、それも然るべき筋からの紹介で文隆さんに交際を求め、大学に訪ねて来たことがあった」、「その後学校の運動会の折や、その後二三回文隆さんを訪ねてきたようである」と回想している(『近衛文隆追悼集』(近衛正子他編/陽明文庫))。

ということは、蘋如と文隆とが面識があったことについては間違いがないようだ。

中国では、蘋如は特務工作員として文隆に接近したのであり、そこに恋愛感情はなかったと一般的に考えられている。その根拠は、蘋如には中国空軍に恋人、王漢勲がいたということ。漢勲は蘋如に手紙で「香港で結婚式を挙げよう」と書き送っており、結婚の約束までした相手がいるのに、他の男とうつつを抜かすわけはない、というわけだ。

ただ、近衛忠大氏によれば、文隆は妹の夫の細川護貞(忠大氏の祖父)に宛てて「学校の運動会の折に一支那美人を招待して、いとも懇ろなところをみせつけてやった。今果たして大問題になって、彼女の身元調査等やっとるらしい」と書き送っている(『近衛家の太平洋戦争』(近衛忠大/NHK出版))。

その身元調査を担ったであろう上海憲兵隊の林秀澄特高課長は、蘋如と文隆の関係を問われて「これはあまり言いたくありませんけれども、今の鄭蘋如と熱くなってしまいまして」と語っている(『林秀澄氏談話速記録』日本近代史料研究会)。

さらに、『木戸幸一日記』(木戸幸一/東京大学出版会)には「有田外相より文隆君の行動につき上海よりの来電につき話あり。一、仏租界居住高恩伯(重慶と連絡あるものと認めらる)方に出入りし、美人の娘と交際す。文隆君は常に之を連れ歩きたる様子」と記されている。

どうやら蘋如と文隆は相当に親しい関係にあり、はたからは恋人同士にしか見えたったようだ。

蘋如と文隆の間に身体の関係があったかどうかは、興味はあるけれども、この際重要ではない。知りたいのは、蘋如が文隆のことをどう思っていたのか、ということ。

『美貌のスパイ鄭蘋如』(柳沢隆行/光人社)を著した柳沢隆行氏は、鄭家の門限が厳しかったことや、文隆が帰国の際に蘋如にプレゼントを人を介してわたしてきたことなどを根拠として二人の恋を否定しているが、門限が若い二人の恋の盛りあがりを、促進はできても、抑えることなどできないし、プレゼントについては、文隆は日本に一時帰国した際に軟禁され上海に戻れなくなったのだから、直接わたしたくてもわたせなかったと考えるのが無難なように思う。

中国では蘋如は抗日戦争のヒロインにまつりあげられている。その彼女が敵である日本人と恋愛するというのでは具合も悪かろう。中国において二人の恋が否定されなければならない事情があることは理解できる。

しかしながら、王漢勲からプロポーズされていたのだとしても、実際に結婚には至っていないのだから、蘋如のほうも結婚したいと思っていたとは言い切れない。日中戦争開戦前に漢勲と相思相愛の仲だったのは確かなようだが、年単位の長い時間が過ぎれば、人の気持ちは多かれ少なかれうつろうものだ。それに漢勲は日本軍との戦いにあけくれ彼女のそばにいない。遠距離恋愛がいかに儚いものかは、それを経験した人ならだれでも知っている。祖国のために戦う恋人を待ち続けているというのはいかにも美しいけれども、それは男性側の勝手な願望かもしれない。人の心は単純ではない。

文隆は、元首相の息子とはいえ国家機密などなにももっていなかったはずだ。そんな彼は特務工作のターゲットとしてはさして重要ではなかったと思う。文隆は、家系は華やかで、カネをもっており、スポーツ万能。イケメンかつ包容力を感じさせる恰幅。豪放磊落で男にも大いにモテる。そのうえ蘋如とほぼ同年齢なのだ。仮に特務工作のために接近したのだとしても、恋愛感情が湧き上がるのは自然なことのように思えるのだが。

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posted by osono at 10:50 | Comment(0) | 著作