ライトアップ終了後の外灘探索の続き。
写真はキャセイ・ホテル・現和平飯店のロビーの様子。
和平飯店は改修のためしばらく閉鎖されていたが、2010年に4つ星から5つ星に生まれ変わって再オープンした。ただし、ロビー奥のバーの内装はほとんど手を加えられていないようで、グラス片手に老人プレーヤーたちのオールド・ジャズに耳を傾ければ、魔都上海にタイム・スリップすることができる。
キャセイ・ホテルは租界の頃の上海を代表する高級ホテルで、『上海エイレーネー』でもしばしば舞台となる。原稿内の「キャセイ・ホテル」による検索結果は14回であった。
259ページは、主人公靄若と前首相の御曹司隆明とが初めてのデートをする重要な場面。
隆明はタクシーを降り、天に突き刺さるかのように聳えるピラミッド型の屋根を見上げた。
キャセイ・ホテルは、銀製の蛇口、大理石の浴室、寝室ほどもある広いウォーキング・クローゼットなど、高級設備を誇る上海随一の名門ホテルだ。最上階には所有者であるエリス・ヴィクター・サッスーンが居住するペントハウスがある。
ロビーは高級服を身にまとった旅行者やビジネスマンでごったがえしていた。巨大なトランクが積み上げられた山を見ると、ここが世界じゅうの人々の最終目的地、上海の玄関口であることを実感する。
回転ドアを回して靄若がロビーに入ってきた。
コートの裾をわずかに揺らすあでやかな姿を見て、隆明は、この回転ドアも、大理石の床も、豪華な装飾が施されたシャンデリアも、みな靄若が今登場するためだけに設えられた舞台のセットなのではないかと思った。
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