2004年09月30日

杭州 富春リゾート

以下の記事はエクスプロア中国で連載した「編酋長’s EYE」に掲載したものです。
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― あっ。夏休みとり忘れた!

そう気づいたのは9月ももう後半のある日。

001_1.jpgこの夏は何かと忙しく、土日の休みもほとんどなかった。無理にでも休もうとは思うが、とても長い休みはとれない。そこで思いついたのが、今年5月にホテルが、そして7月にスパがオープンした「富春リゾート」である。上海からはわずか3時間なので気軽に往復することができる。

001_2.jpg富春リゾートは、新天地の人気のコンチネンタル・レストラン「T8」と同じオーナーによる経営。というか、T8が富春リゾートと同じオーナーというべきだろうか。新天地T8は本来富春リゾートの会員の出先の施設として開かれたとのことで、新天地T8の2階は富春リゾート会員専用になっている。

001_3.jpg富春リゾートを一言で表現すれば「バリ島のリゾートに江南風味を加えた高級リゾート」。建物外観は白壁に瓦の屋根の江南風だが、内装はフロント前のロビーやレストランなど屋根が高く、木と石をふんだんに使ったバリ風モダンチャイナ。ここの内外装はバリ島等で高級リゾートをチェーン展開するアマンリゾートも手がけたデザイナーによる設計だそうだ。
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001_5.jpgここではぜひスパを利用しよう。インドネシアから来たセラピストによる本格的なトリートメントを受けることができる。上海には昨今バイアン・ツリーやマンダラ・スパなどの最高級スパが進出しているが、ここもそれらに優るとも劣らない。男性ではまだスパを利用したことがないという人も多いかもしれないが、是非夫婦で味わっていただきたい。全6室のうち4室が二人用で、アロママッサージ、肌パック、蜂蜜とカモミールの花びらを散らしたバス等々を一緒に楽しむことができる(90分コース790元、120分コース1250元〜)。
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001_7.jpgホテルの屋内プールは正方形で屋根が高く、控え目の照明が静かなバーの中にいるかのような錯覚に陥らせる。屋外には3つのジャグジーがある。プールにバーが隣接し、さらに奥にはジムと静かな足裏マッサージのスペースがある。

従業員のサービスも大変気持ちがいい。動きはてきぱきとしており、常に笑顔。オープン直後でありながらよく訓練されていることが伝わってくる。我々が訪れたのは平日だったこともあって非常に空いていたのだが、いつ通りかかってもサロン入り口の小姐はきちんとした姿勢で立っていた(我々が見ていない時はだらけているだろうと思い、音を立てずに近づいてみたが、それでもやはり直立不動でたっていた)。支配人はインドネシア人とのことで、本場インドネシアのリゾートのサービスが再現されているのだろう。中国ではありがちな「見よう見まね」を感じさせるサービスではない。ちなみに従業員の多くは地元の旅行学校の卒業生とのことだ。従業員は英語と日本語の訓練を受けているので、中国語に不安がある方々にも安心だ(ただ、サービス向上に熱心なことの現れであろうが、客のすぐ後ろで、先輩服務員が後輩服務員にサービスの仕方を教えるのがちょっと気になりはした)。日本人のマネジャーもいるので、彼が出張中でなければ、日本語で丁寧な説明を受けることもできる。

001_8.jpgレストランは中華料理とコンチネンタル料理の店が一つずつ。バーは2箇所。中華料理のAsian Cornerの薄くスライスされた東坡肉は絶品。コンチネンタルの店は「T8 in Fuchung」と名づけられたクラブハウス内のレストランで、新天地のT8とは雰囲気は異なる。むしろ、リゾート内の他の施設と統一された落ち着いた雰囲気。小さな湖をはさんだ向かい側にクラブハウスがあり、天気のいい日にはホテルから渡し舟で食事に出かけるという風雅を楽しむこともできる。

ホテルからやや離れた丘の上に高級ビラがある。4ベッドルームとリビング、各ビラに屋内スイミングプールが付いており、各ビラ専属のメイドが朝食の準備他、各種の世話をしてくれる。なお、こちらは既にオープンから一年ほどを経ているので、既に何人かから評判は聞いていたのだが、ホテルのオープンにより、スパやレストラン、バーなども利用できるようになり、ここの滞在の満足度は一層高まったといえるだろう。

隣接するゴルフ場は、ホテルより4年早くオープンしたとのこと。距離は比較的短いホールが多いので難しいという感じは受けないが、各ホールが茶畑でセパレートされており、よく曲げる人はスコアがまとまらない。起伏のあるホールが多く、平坦な上海のゴルフ場でのプレーに慣れた人には新鮮だろう。事前に芝はベントと聞いていたので、今年の猛暑を乗り越えられたかとやや心配だったが、メンテナンス状況はよく、グリーンは読んだとおりにブレイクしてくれるのでパター数は自然と少なくなる。クラブハウスはホテルと内外装が統一されておりなんとも豪華。風呂は18度、41度、43度の3つの温度に分けられている。プレーフィーはリゾート宿泊者1,050元、ビジターは1,800元。まあこの価格は、各種トーナメントが行われる最高級コースというわけではないことを考えるとやや高すぎるか。リゾート宿泊者のプレーフィーをもう少し下げればもっとリゾートの利用者が増えるように思うのだが。。。

上海から近く気軽に訪れることができ、それでいてオープン間もないためか、今のところ空いているので落ち着いて過ごすことができる。サービス水準も高く、自信をもってお勧めしたいと思う。

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