一方で、今日の朝刊で、贈与税について孫への2500万円の贈与が非課税になる見込みと報じられていた。
よくわからない。
相続税の強化と完全に逆行するような措置じゃないの。
いったい何がやりたいのかわからない。
課税強化がいいとか悪いとか、そういうことを言いたいのではない。どちらか一つに統一すべきだと思う。そうしないのであれば、政策に思想がないと言わざるを得ない。行き当たりばったりとしか思えない。
贈与税の非課税は、高齢者の金融資産を教育資金に充てさせることによって高齢者の貯蓄を切り崩す、という景気対策の側面があるのかもしれないが、そういうことは所得税などでやるべきであって、相続や高齢者から孫への贈与という、長期的観点でなされる経済行動を課税の対象とする税でやるべきではない。
税制においては重要な原則はいくつかあるけれども、やたらめったに変更しない、というのも重要な原則の一つだ。どんな悪税でも、事前に決まっていて、かつそれが長期にわたって変更がなされないのであれば、人は誰でもその税制に合わせて行動することができるので公平だということができるが、税制が変更されると、たまたまその税制で有利になる人とか有利な状態に容易に変われる人と、そうでない人との間で不公平が生じる。
高齢者の金融資産は、現状は銀行預金や証券投資などを通じて企業投資に向けられるが、それを教育投資に振り替えようとする政策と言うことができるかもしれない。でも、日本の将来のために教育投資を促進すべきみたいな議論はよく聞かれるけれども、それが企業投資よりも重要であるというコンセンサスは社会で既に形成されているのかなぁ。
企業投資よりも教育投資のほうが、実際に投資にまわされる率が高く、よって景気対策になると考えられているのならば、それにも疑問がある。2500万円を贈与しても、それがすぐに使われることはなく、大部分は貯蓄されて、何年にも分けて使用されることになるに違いない。むしろ景気には逆効果だろう。
この措置は、投票率の高い高齢者世代にウケのいい政策を出すという選挙対策と疑いたくなる。
相続税強化によって落ちる人気を、贈与税非課税によって相殺しようとしていると言ってもいいかもしれない。
そもそも教育費に2500万円が必要なのか、という問題もある。2500万円の贈与などと縁がない大多数の世帯の不満が募るだけのような気もする。
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