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小走りの人々の後を追いながら現在の状況を考えてみた。
すなわちおそらく、天候不順で使用機材が深センに降りられず、広州に着陸してしまったということなのだろう。それなら、その飛行機が、雷雲が去るのを待って深センに飛んでくるのに早くても2時間はかかる。それから出発準備をし、飛び立つまでには、合計で3時間はかかるに違いない......
チェックインカウンターにつくと、既に人であふれている。とても並ぶ気がしないので、戻って、東方航空職員嬢に、改めて現在の状況と対処方法を尋ねに行くこととした。バッグから宮城谷「三国志」を取り出し、セキュリティチェックの長い列を抜けて搭乗ゲートへ。
僕「いつくらいに飛べそうですか?」
嬢「わかりません」
僕「いつになったら分かりますか?」
嬢(ちょっとイラっとしながら)「わかりません」
僕「今日中には飛びますよね?」
嬢(ちょっとイライラっとしながら)「わかりません」
まったくもって埒が明かないので、あきらめてPCを開き、
メールの処理でもしながら気長に待つこととした。
15:21:58
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東方航空職員嬢が何もいわずに立ち去ってしまった。今後どうなるとも、どうしろとも、何のアナウンスもなくである。
少々不安になってきた。搭乗ゲートには10人ほどしか残っていない。
同じ便に乗るはずだった人たちはどこへいってしまったのだろう。
そう思い、PCを閉じ、セキュリティチェックを再び逆行して、空港ロビー内をうろついた。
チェックインカウンターにあふれていた人々はどこかに消えてしまっていた。
インフォメーションデスクの前に人がたまっているのを見つけた。
「5328 X&%#*!」
「&●〒 5328 ☆÷!」
何やら、カウンターのこちら側とむこう側で、乗るはずだった飛行機の便名を叫びあっているようだ。便名以外はよく聞き取れない。
しばらくすると、カウンターの向こう側にいた空港スタッフの一人が、
「5328便の方は私についてきてください」
と言い、カウンターから出てきて、出口に向かって歩き出した。よく分からないが、ついていくこととする。
ターミナルビルを出たところには、2台のバスが待っていた。どうやらこれに乗って、ホテルへ連れて行かれるようである。しかし、たまたまインフォメーションデスクのそばにいたからいいようなものの、もし他のところにいたらどうなっていたのだろう。。。

16:05:59
16:06:00
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バスに乗ること20分ほどでホテルについた。
ここで休憩しろということだが、2人で1室らしい。

「航空会社の規定だからしょうがないのです」とフロントの職員。
「でも、今晩ここで泊まることになったらどうするんだ」
「100元追加でお支払いいただければ、一人部屋をご用意します」
さすがに、知らないおじさんと同衾するのはかなわないので、100元を支払って鍵を受け取った。
部屋に入って驚いた。ベッドが丸いのだ。さすがに回転はしないようだが、ベッドの真上にはシャンデリア。そしてベッドの横のテーブルには、避妊具、男性用ローション及び女性用ローション(男性用と女性用とでどう違うかは分からん)、そしてなぜか男性用下着及び女性用下着が陳列されている。
どう見てもラブホテルなんである。100元の追加料金を払ったのは正解だった。
こんな部屋に知らないおっさんと放り込まれていたら、と思うと背筋が寒くなる。
なんだか不健康な感じがするので、部屋を出て、フロントの職員に「30分ほどでてきます。航空会社から連絡があったら携帯電話に電話してください」とメッセージを残し、散歩に出る。
そういえば雷雲はどこかへ消えている。もう4時過ぎだというのに、南方特有の強い日差しが首に射した。
to be continued......
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