2005年01月31日

結局は値段が全て?〜サイゼリヤのお話

以前本サイトの「春風得意」欄に、上海のとんかつ屋「浜ちゃん」はもっと価格を上げてもいいのではないかという内容を書いたことがある。上海にとんかつ屋の数は少なく所在地も分散しているので競争は激しくなく価格弾力性は低いはず。かつ味もいい。よって価格を現在の60元代から100元程度にしても客の入りは大してかわらないだろうというようなことを書いた。

しかし先日、本サイトの「ビジネス解説」の編集主任から、この考え方の自信をぐらつかせるような話を聞いた。サイゼリヤの話である。

サイゼリヤは2003年末に上海に進出したが、当初は客の入りがさっぱりだったそうだ。スパゲティ一皿の値段は18元。この値段でも十分に安いと思うが、それを先ごろ9元にまで下げたところ、一気に客が増え、今では時間によっては列ができるほどだという。

「上海では結局は値段がすべてなのか」と驚くと同時に、一皿9元では、いくら売っても日本に大した配当をできないのではないかとも思う。この点について編集主任に投げかけると、それでも飲食業はある程度人の入りがないと、いい条件で仕入れができず、従業員の士気は上がらず、すべてがダメになってしまうという。極めて利益が薄いという点については、店舗数は数百まで拡大することによってまかなうのだそうだ。

貿易によって国際価格が成り立つ製造業に対し、サービス業では中国の平均すれば5分の1の物価水準の中で勝負しなければならない。製造業を中心として形成された「中国ブーム」に乗ってサービス業の進出も増える一方だが、同じ乗りで中国に来てもうまくはいかない。

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posted by osono at 00:00 | 中国経済