おかげでテレビで今回のデモに関する諸々の意見を聞く時間ができ、また自分なりに考える時間ももてた。デモの被害が最も大きかった上海虹橋は、10年近く住んだ「我が町」である。そこがズタズタになり、今日は元職場である総領事館の悲惨な状況も伝わってきた。そしてあの中国政府の発言である。公館への妨害行為がウィーン条約違反であるのはもちろんのこと、和食店など日本関連施設への破壊行為は、どんなイデオロギーがあろうとも許されるわけはない。少なくとも今朝の時点までは結構感情的になっていた。しかし一日という時間が過ぎクールダウンすることができた。
それぞれの登場人物の立場になって考えてみる。デモ参加者達はサッカー観戦のような気分になっている。公安が阻止しないのであれば、モノを壊すという暴挙にでるのも、もちろんそれは決して是認されない行為ではあるが、起こりうることではある。中国政府。天安門の記憶もあり、長年の反日教育もある。「愛国無罪」を掲げる民衆を安易に抑えることはできない。中国政府にとっては常に国内問題が国際問題に優先するのだ。日本批判を行う以外に術がないというのも分からないでもない。
さて日本側である。日本政府の対応の可能性は一通りではない。これまでのようになし崩し的、先延ばし的な解決を図るのか、徹底的に問題を追及していくのか。今のところは強い抗議を行うと言う姿勢のようだ。これまでのなし崩し的解決方法ではいつまでたっても同じことの繰り返しなので、この際徹底的にやりあうべきだと思う。しかししばらくするとまた、これまでのように、あまりはっきりしない解決方法が採られてしまうのではないだろうか。テレビで榊原元財務官が「日本側が一歩引くべき」といっていたが、そんな意見が主流になってしまうような気する(それにしても現段階で「日本側が一歩引くべき」などと言うのはいかがなものか。。。)
最後に我々中国に関わるビジネスマンについて。中国投資は何年かに一度の周期でこういう問題が発生するものらしい。好調が数年続き、中国ブームに沸いているとその揺り戻しが来る。これを改めて感じさせられるものであった。弊社もホテル予約や携帯レンタルなどはキャンセルが相次いでいる。まあ一方で国際電話カード販売やメール送信システムなどが増えているので損害は大きくはないが、改めて一つの事業に頼ったら危ないという気持ちをもった。
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