今朝掲載された春風得意には考えさせられた。あれほどの爪あとを残したデモが、中国国内では全く報じられていないという。今日の日本の新聞によれば外相会談における町村外相発言もずいぶんと歪曲して伝えられれているようだ。いくらなんでもひどい話だが、まあそれは誰もが思っていることなのでここで触れない。むしろ思ったのは、そうも効率的に報道統制ができるのなら、いっそのこと日本に対し謝まってしまい、国内的にはそれを報じないことにしてしまえばいいんじゃないかということ。日本には中国好きの人は数多い(私自身がその一人である)。上海は憧れの都市のようなイメージすらできつつあった。それが今回の一件で崩れようとしており、日本人の対中感情が相当に悪化してきている。そろそろ対日外交のあり方を考え始めた方が中国にとっても得策なように思うのだが。。。
春風得意を読んで思ったもう一点。上海の日本人がどうも油断していたらしいということ。これは先週から感じていた。上海のスタッフと話していても、どうも危機意識が低かった。今日は上海からは「上海だけは別だと思っていたのに意外だった」という言葉が聞かれる。しかし東京では、事務所でも家族との会話でも、私のまわりはみんな上海総領事館の周辺の日本料理店はひどい目にあうのではないかと懸念していた。
1998年前後に人民元の「切り下げ」が話題になっていた頃、講演では「切り下げは絶対にない。香港発の報道に踊らされるな。中国国内の事情を見れば考えられない」と言っていたものだ。当時は中国のことは中国国内にいなくては分からないと思っていた。しかし今回は、外にいるほうが適確な判断ができたようだ。ここ5年くらいで中国の事情が国外により的確にかつ詳細に伝わるようになり、その結果、今や報道統制のある中国国内よりもむしろ外にいるほうが中国のことがわかる場合がある、ということなのだろう。
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