物語では1935年に中国で実施された通貨制度改革を扱っている。当時アメリカでは、銀算出業界の要請に応じて大統領が銀価格を吊り上げていた。銀本位制度を採用していた中国では銀価格が上がればそれに並行して自国通貨高となる。極端な元高が発生し、ために中国はひどい不況に陥っていた。そこで銀の輸出に課税して銀の国内価格を海外での価格に比べて安く抑えることにした。銀の国内価格は国際価格の約半分となった。その結果、密輸が横行した。
その銀密輸の舞台となったのが山海関。山海関の北側はもう満洲国で、日本人も中国人も、せっせと銀貨や銀塊を満洲国へ持ち出した。小さめのトランクに2000枚の銀貨(だいたい50kgくらいになる)を詰めて国境を越えれば、銀貨1枚=1元は現代の日本円で1000〜2000円の価値があったので、トランク1個で数百万円相当の儲けになった。
山海関の長城の北側には満洲中央銀行の支店があった。密輸されてきた銀を買い取るために設置された支店である。一国の中央銀行が密輸に加担していたんだから、まあひどい話だ。



冒頭で、(山海関に)「ちょこっと行って見てきた」と書いたけど、つまりは日帰りで行ってきたということ。僕は結構汚いところへも平気で行けるけど、夜寝るところだけはきれいなところにしたい。そこで天津に宿泊して日帰りすることにした。高鉄で天津から山海関へはわずか1時間ちょっとで、かつ頻繁に便があるので楽チンだった。
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