2015年02月20日

上海劃船倶楽部(ボートクラブ)

上海の蘇州河畔にかつて「劃船倶楽部(ボートクラブ)」があった。下の写真は当時の白黒写真にちょっと色を加えてみたもの。

上海ノース・ステーション』では、悪者二人が悪い相談をしているシーンの密談場所として、この写真の右側(ボートクラブから蘇州河を挟んだ北蘇州路上)に設定した。

以下は該当部分の一部抜粋。
 田中隆吉は横殴りの雨の中、上海北蘇州路の歩道を早足で歩いている。
 すぐ左側を流れる蘇州河は水位が上がり、河水がいまにも道路に溢れ出してきそうだ。この雨の中で船を動かすものはいないようで、川面には多数の小船が繫留され、上流の方角から吹き下ろしてくる風に吹かれて木の葉のように大きく揺れている。
 前方左手に劃船倶楽部が雨のベールに隠れておぼろげに見えてきた。一時間ほど前に許清より連絡があり、劃船倶楽部から蘇州河を隔ててちょうど正面の対岸で会おうと言ってきた。田中は、許清がそのような場所を待ち合わせ場所に指定したことを腹立たしく思っていた。わかりやすい場所でありながらも人通りが少ないので密会場所として選んだのだろうが、雨を避けて待つことができる商店の軒先も街路樹も一切ない。もしも許清が自分に遅れて待ち合わせ場所に現れるようなことがあれば、何も言わずに首を絞めてやろうと心に決めた。


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posted by osono at 23:32 | 著作