2015年02月04日

中国の銀行でセカンドIDの登録が必須となったと言われた件

image.jpgつい先日のこと。

中国のシティバンクのインターネット・バンキングが使えなくなっていた。

上海和平飯店1階の支店で訊いてみると、昨年より必要となったセカンドIDの登録がなされていないので口座が凍結されている、との由。

セカンドIDとは我々外国人の場合はパスポート以外の身分証明書のこと。駐在員ならば居留証や免許証があればそれを登録できるだろう。でも僕のような出張者や旅行者の場合はどうすればいいのか。中国国内で通用するIDでなければ不可だそうで、つまりは日本の免許証や健康保険証とかではダメなのだ。

支店の受付君、
「国際免許証はもっていますか?」
「もっているけど、日本においてきたよ」
「じゃあ次に中国に来る時にもってきてください」
「でも、国際免許証って中国では使えないよ。それでもいいの?」
「あっ、そうか。じゃあだめです」

でも、自分の口座のお金をおろせないなんてことがあっていいはずはない。このままでは国際紛争に発展する、と思いつつ粘ってみると、
「じゃあ、ホテルで「この人は当ホテルに宿泊しています」と書いてもらって、それに印鑑をもらって持ってきてください」
とのことだった。

「めんどくせぇ」と思いつつも文句は言わず、ホテルに帰って「境外人員臨時住宿登記単」なるものをもらって支店に戻る。

その後30分ほど待たされて、
「明日午後から口座は復活するでしょう」
と、受付君。それじゃあ今日中にキャッシュが手に入らないじゃないか、と大いに不満だったけれども、ぐっと堪えて支店を出て、次の太陽が昇るのをジッと待った。

しかし翌日。口座は凍ったままだった。正午を過ぎても溶けない。14時が過ぎてもキンキンに凍っている。

15時まで待って支店に行った。

待つ。待つ。待つ。

30分ほどした頃、女子行員に「オソノサン?コニチハ」と声を掛けられた。前日に店頭で長いことトラブっていたので名を覚えたのだろう。キャワイイ。目がクリクリしている。沈んだ気持ちが一瞬晴れた。

さらに待たされる。。。

15分して再びクリクリおめめの女子行員が現れた。彼女は僕がいつまでも待たされているのを見て、状況をあちこちに問い合わせてくれた。

どうやら本店のバックオフィスが「境外人員臨時住宿登記単」に公安の印章がないから手続きできないと言っているらしい。

それはあんまりだと思い俯くと、彼女は「一緒に公安に行きましょう」と、輝く笑顔で言った。

外は雨。彼女は傘を持っていなかった。公安まで10分ほどの相合い傘。ド、ドキドキした。

公安に着き彼女が受付のおばちゃんに印鑑を押してほしいと頼むと、受付おばちゃんは「その紙に印は不要。絶対に不要」ときっぱりと言った。

彼女は申し訳なさそうな顔をして僕に謝り、「支店に戻って交渉します」と言って帰っていった。

その日の夜は宴会があったのだけど、僕は終始なんだか不機嫌だった。最終的にはなんとかなると思ってはいるのだけれども、少ないとは言えない額の資産が消えることを想像すれば誰であっても気分は沈む。

翌朝10時頃。シティバンクから電話があり、口座が復活したと告げられた。

僕は電話を切ってすぐに「ヤッタ」と声を上げた。

ただすぐに、ホテルの滞在期間が終わればIDの有効期限切れということで再び口座を止められるかもしれない、と思い、再び気分が沈んだ。

しばらくしてクリクリおめめの女子行員から
「口座が復活したそうです」
とのショートメッセージが届いた。

僕は、手を尽くしてくれたことのお礼に続け、
「また会えるといいね。と言っても、またトラブルに遭いたいと思っているわけではないけどね。HaHa」
と書いて返信した。

(ところでHSBCでは問題なくお金をおろせている。どういうことなんだろう、と思うけれども、HSBCで訊いたら「じゃあセカンドIDを登録して」と言われそうで、怖くて訊けない)


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posted by osono at 22:34 | Comment(0) | 中国経済