円安・人民元高傾向が止まり、また昨今のきな臭い日中関係もあって、手持ちの人民元を外貨に換えたいと思っている人って結構いるんじゃなかろうか。
で、今回華南滞在中にいろいろやってみたので、自分自身の覚えのためもあって(かつ、こういう話題って結構検索で引っかかるので)、以下書き留めておこうと思う。
ちなみにこの日の香港ドル対人民元レートの仲値は1.2427程度だった。
まずマカオの銀行で人民元を香港ドルに両替。レートは1.2408で、それに加えてその両替を行った銀行に口座を持っていない場合は50ドルの手数料がかかり、さらに6000ドル以上を交換する場合は20ドルほどの手数料がかかるとのことだった。20,000人民元を交換して手元に返ってきたのは24,748.35ドル。つまり実質的なレートは1.2374で、仲値とのスプレッドはたったの0.43%!
街の両替屋さんを覗いてみるとレートは1.23だった。仲値とのスプレッドは1.02%。円のトラベラーズ・チェックを米ドルに換える場合と同じくらい。円と米ドルのキャッシュを交換する場合に比べればずいぶんいい。
カジノのキャッシャーでのレートは1.17931。仲値とのスプレッドは5.1%。も、ものすごく悪い!
カジノ内のATMで引き出してみると1.2178だった。仲値とのスプレッドは2%。
香港行きフェリーターミナルの両替店では1.2323だった。仲値とのスプレッドは0.84%。意外に悪くない。
香港にわたり、上水のHSBCにて。レートは1.2276だった。仲値とのスプレッドは約1.22%。マカオの銀行で両替する場合よりも悪いので驚いた。20,000元両替し返ってきたのは24,552ドル。マカオの銀行での両替よりも196ドル、約2500円も少ない。すごく損した気分。
翌日、ひょっとしてHSBCのレートが悪いのかと思い、九龍塘の東亜銀行でレートを訊いてみると1.2387との由。続けて同じショッピングモールの階違いのHSBCに行って訊いてみるとそちらも1.2387だった。ということは、昨日の上水HSBCでのレートはなんだったのだろう。テラーが頼りないオッサンだったので、なんらかの手違いだろうか?九龍塘HSBCでの仲値とのスプレッドは約0.32%。いろいろやってみた中ではこれが一番よかったことになる。ただ、香港HSBCには口座があり、そのために別途の手数料がかからなかったのかもしれない。つまりひょっとしたら人民元から香港ドルへの両替はマカオでするほうが香港でするよりも得なのかもしれない。
ちなみにマカオでは一日に20,000人民元までしか両替をしてはいけないらしい(年間の両替金額制限はないようだ)。香港では、香港居住者でなければ、いったんキャッシュを人民元口座に放り込み、それを外貨に両替すれば、交換金額に上限はないらしい(香港居住者の場合は一日20,000元までだとか)。
なお、人民元キャッシュの国外持ち出しには一回20,000元までという制限がある。「マカオへは持ち出し制限がない」なんて書いてあるウェブサイトがあったが、それはウソ。珠海からマカオへの出国で時々摘発されているようだ。
Google
2014年05月27日
人民元から外貨(香港ドル)への転換
posted by osono at 23:06
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2014年05月11日
日本女性は美人で男性はスケベ?中国人の誤解と日中関係
中国でしばらく生活すると、中国人は日本人についていくつかの誤解をしていることに気づく。
例えば、日本人は美人という誤解。これはおそらくテレビ・ドラマやアダルト・ビデオなどの影響だろう。多くの中国人は映像でしか日本人を見たことがなく、映像に出てくる女性はたいてい美人なので、日本人の女性はおしなべて美しいという誤解がうまれたのではなかろうか。
(ただひょっとしたら、中国人に比べて日本人の女性は常に化粧や服装に気合いが入っている、ということが日本人は美人と思われる理由なのかもしれない。下地のみをいうのではなく化粧や服装も含めて美人を論じるのであれば「誤解」ではなく「事実」といっていいのかもしれない)。
それから、日本人の男はスケベという誤解。これは上海など日本人が多数居住する都市に限られる誤解なのかもしれない。その誤解を生じた理由のひとつは巷に溢れる日本語表記のネオンだろう。夜、上海の中心部を車で移動していると日本語をよく見かける。そのほとんどは飲食店の看板だ。上海の全飲食店に対する日本飲食店の比率は実際には「よく見かける」というほどには多いはずはないのだけれども、日本飲食店はある程度集中して立地いることや漢字の国でひらがなやカタカナ表記があれば目立つことなどから上海の街には日本飲食店が相当に多いという印象となる。そしてその飲食店のうち、相当数が「食」ではなく「飲」であり、そのそばにはたいてい日本語の看板のかかる(風俗営業の)マッサージ店があったりするものだから、いかにも日本人は夜な夜な小姐が陪座する店(若い女性が隣に座る店)に通い、マッサージ店へはしごするかのように思えてしまう。インターネットなどで日本のグラビア・アイドルの画像やアダルト動画が氾濫していることや、時折売春が行われている店で多数の日本人が一斉に逮捕されたなんて報道がなされることも、日本人がスケベだと思われる要因なのだろう。日本人夫婦のセックス頻度は諸国家の中でダントツに低いという統計がある、なんて話をしても中国人はまるで信じない。
それから例えば、日本は隙あらば中国を侵略しようとしているという誤解もある。むろん我々日本人は日本という国にそのような実力はおろか考えも微塵もないことを知っており、「なにをばかなことを」と思ってしまうが、中国人はそうではない。「日本人はスケベ」とは逆に、この誤解は沿海部よりは内陸部、都市部より農村部で一層みられるようだ。日本人は、日本は敗戦によって生まれ変わった、と思っている。アジアの東の端っこに住んでいることと日本語を使っていることと天皇がいることは変わっていないけれども、憲法は変わり社会の仕組みが変わり人々の考え方も変わったので、「大日本帝国」と「日本国」はまったく別な国だと考えている。しかし中国人は、相変わらずアジアの東の端っこに住んでいて日本語を使っていて万世一系の天皇を戴いている日本人は昔もいまも大して変わってはいないだろうと考える。抗日テレビ・ドラマが日々流されていることの影響もあって、農村を中心に少なくない中国人が日本は強力な軍事力を有しており、中国大陸に乗り込んできて、残忍な殺戮を再び行うかもしれない、という誤解を抱いている。首相の靖国神社参拝は、日本政府や日本国の戦前から現代にいたるまでの連続性の証左に映るし、尖閣諸島問題は、どちらの国に領有権があるかの争いではなく、日本の侵略に対する中国の領土防衛の問題と映る。
さらに例えば、日本も中国と同じだろうという誤解。中国においては報道が統制され、自由な報道は許されず、時にねじ曲げられた報道がなされていることは中国人自身も知っている。その目的が政府による民衆の統制であることもわかっている。人を騙す人は他人も自分を騙すと思っているし、うそをつく人は他人も自分にうそをついていると思いがちだが、同様に、自分の国の状況は他国でも大差ないだろうと思い込んでしまうものだ。一部の中国人は日本でも偏向報道が横行し、日本政府は民衆を統制しようと謀っていると考える。日本政府が強行的なことをいえば日本人全てが同様に考えていると思ってしまう。現代日本には多様な意見があって、各自それを述べる自由があって、なかなかひとつの意見には偏りにくく、そもそも多くの民衆は政治や外交に無関心だということは理解されていない。
日本には美人ばかりがいると誤解されてもなんら問題はないし、日本人男性はスケベだと思われても、中国人女性と結婚している日本人には多少の障害となるかもしれないけれども、その他の人には実害はほとんどない。しかし上に例示したうちの後者ふたつの誤解はできれば解消しておきたい。その方策のひとつは、既によくいわれていることで陳腐な意見と思われることを恐れずいえば、より多くの中国人に日本に触れてもらうことだろうか。日本への観光を推進し、アニメやドラマなど日本文化の輸出をこれまで以上に積極的に行う、などなど。それから、誤解を増長するような行為・言動を慎む、ということ。靖国神社参拝は中国では日本が軍国主義を継承しているのだと思われるし、尖閣諸島問題について「領土問題は存在せず」と切り捨ててしまえば日本は中国を不当に侵略しようとしている、と思われてしまう。靖国神社参拝については「国外からどう見られようが関係ない」という声がすぐにも飛んできそうでもあり、この稿でどうすべきとはいわないけれども、尖閣諸島問題については「領土問題は存在せず」の看板はおろし国際司法裁判所へ提訴し、80年以上前の満州国問題とは全く異質の問題なのだという姿勢を示したほうがいいように思うのだが、どうだろう。
例えば、日本人は美人という誤解。これはおそらくテレビ・ドラマやアダルト・ビデオなどの影響だろう。多くの中国人は映像でしか日本人を見たことがなく、映像に出てくる女性はたいてい美人なので、日本人の女性はおしなべて美しいという誤解がうまれたのではなかろうか。
(ただひょっとしたら、中国人に比べて日本人の女性は常に化粧や服装に気合いが入っている、ということが日本人は美人と思われる理由なのかもしれない。下地のみをいうのではなく化粧や服装も含めて美人を論じるのであれば「誤解」ではなく「事実」といっていいのかもしれない)。
それから、日本人の男はスケベという誤解。これは上海など日本人が多数居住する都市に限られる誤解なのかもしれない。その誤解を生じた理由のひとつは巷に溢れる日本語表記のネオンだろう。夜、上海の中心部を車で移動していると日本語をよく見かける。そのほとんどは飲食店の看板だ。上海の全飲食店に対する日本飲食店の比率は実際には「よく見かける」というほどには多いはずはないのだけれども、日本飲食店はある程度集中して立地いることや漢字の国でひらがなやカタカナ表記があれば目立つことなどから上海の街には日本飲食店が相当に多いという印象となる。そしてその飲食店のうち、相当数が「食」ではなく「飲」であり、そのそばにはたいてい日本語の看板のかかる(風俗営業の)マッサージ店があったりするものだから、いかにも日本人は夜な夜な小姐が陪座する店(若い女性が隣に座る店)に通い、マッサージ店へはしごするかのように思えてしまう。インターネットなどで日本のグラビア・アイドルの画像やアダルト動画が氾濫していることや、時折売春が行われている店で多数の日本人が一斉に逮捕されたなんて報道がなされることも、日本人がスケベだと思われる要因なのだろう。日本人夫婦のセックス頻度は諸国家の中でダントツに低いという統計がある、なんて話をしても中国人はまるで信じない。
それから例えば、日本は隙あらば中国を侵略しようとしているという誤解もある。むろん我々日本人は日本という国にそのような実力はおろか考えも微塵もないことを知っており、「なにをばかなことを」と思ってしまうが、中国人はそうではない。「日本人はスケベ」とは逆に、この誤解は沿海部よりは内陸部、都市部より農村部で一層みられるようだ。日本人は、日本は敗戦によって生まれ変わった、と思っている。アジアの東の端っこに住んでいることと日本語を使っていることと天皇がいることは変わっていないけれども、憲法は変わり社会の仕組みが変わり人々の考え方も変わったので、「大日本帝国」と「日本国」はまったく別な国だと考えている。しかし中国人は、相変わらずアジアの東の端っこに住んでいて日本語を使っていて万世一系の天皇を戴いている日本人は昔もいまも大して変わってはいないだろうと考える。抗日テレビ・ドラマが日々流されていることの影響もあって、農村を中心に少なくない中国人が日本は強力な軍事力を有しており、中国大陸に乗り込んできて、残忍な殺戮を再び行うかもしれない、という誤解を抱いている。首相の靖国神社参拝は、日本政府や日本国の戦前から現代にいたるまでの連続性の証左に映るし、尖閣諸島問題は、どちらの国に領有権があるかの争いではなく、日本の侵略に対する中国の領土防衛の問題と映る。
さらに例えば、日本も中国と同じだろうという誤解。中国においては報道が統制され、自由な報道は許されず、時にねじ曲げられた報道がなされていることは中国人自身も知っている。その目的が政府による民衆の統制であることもわかっている。人を騙す人は他人も自分を騙すと思っているし、うそをつく人は他人も自分にうそをついていると思いがちだが、同様に、自分の国の状況は他国でも大差ないだろうと思い込んでしまうものだ。一部の中国人は日本でも偏向報道が横行し、日本政府は民衆を統制しようと謀っていると考える。日本政府が強行的なことをいえば日本人全てが同様に考えていると思ってしまう。現代日本には多様な意見があって、各自それを述べる自由があって、なかなかひとつの意見には偏りにくく、そもそも多くの民衆は政治や外交に無関心だということは理解されていない。
日本には美人ばかりがいると誤解されてもなんら問題はないし、日本人男性はスケベだと思われても、中国人女性と結婚している日本人には多少の障害となるかもしれないけれども、その他の人には実害はほとんどない。しかし上に例示したうちの後者ふたつの誤解はできれば解消しておきたい。その方策のひとつは、既によくいわれていることで陳腐な意見と思われることを恐れずいえば、より多くの中国人に日本に触れてもらうことだろうか。日本への観光を推進し、アニメやドラマなど日本文化の輸出をこれまで以上に積極的に行う、などなど。それから、誤解を増長するような行為・言動を慎む、ということ。靖国神社参拝は中国では日本が軍国主義を継承しているのだと思われるし、尖閣諸島問題について「領土問題は存在せず」と切り捨ててしまえば日本は中国を不当に侵略しようとしている、と思われてしまう。靖国神社参拝については「国外からどう見られようが関係ない」という声がすぐにも飛んできそうでもあり、この稿でどうすべきとはいわないけれども、尖閣諸島問題については「領土問題は存在せず」の看板はおろし国際司法裁判所へ提訴し、80年以上前の満州国問題とは全く異質の問題なのだという姿勢を示したほうがいいように思うのだが、どうだろう。
posted by osono at 17:11
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